万葉集の「辛(から)き恋」

 万葉集に「辛からき恋」という言い方が三首に見られる。「辛からし」という言葉は、舌を刺すような鋭い感覚、塩辛いばかりでなく酸っぱい場合にも用いられる味覚の意味と、そこから派生して骨身にしみるようなつらい気持ちに陥る状態の…More

万葉集の序詞の「鳥」が「目」を導く歌

 万葉集のなかに、序詞で「鳥」と言い、「目」を導いた歌が二首ある。巻十二「古今相聞往来の歌の類の下」の「物に寄せて思ひを陳ぶる歌」と、巻十四「東歌」の「常陸国の相聞往来の歌十首」のなかのそれぞれ一首である。  小竹しのの…More